kimyakuが考えるメディカルアロマ

アロマテラピーをやっている人の中で知られている、アロマテラピーの『フランス式』『イギリス式』というものがあります。
そもそもにアロマテラピーを知らない人からしてみれば、意味の分からない話ですね。
アロマテラピーはフランスで近代に誕生したものです。
その後イギリスに渡りそれぞれの国で独自に発展をしていくのですが、フランスでは主に精油の薬理成分の有効活用、イギリスでは美容やリラクゼーションに特化したと言われています。
日本には先にイギリスからアロマテラピーが伝わったので、大きなアロマテラピーの団体としてはイギリス式の考えを持つものが多いイメージです。
私の感覚でいうと、イギリス式はアロマテラピーのストーリー(歴史や自然に関して)を大切にし、フランス式は薬理作用の利用や身体の仕組みの学びを大切にしているイメージです。
フランス式の特性を汲んでフランス式アロマテラピーを『メディカルアロマ』と呼ぶ人もいます。
どこの団体で学んだにせよ、資格取得後の学びを深めていく行為がその人のアロマテラピーについての哲学を決めるので、正直『○○式』という呼び名はナンセンスな気もします。
私は資格取得の勉強の際、アロマテラピーを実践する上での禁忌について突っ込んだ質問をしたら、講師が答えられないことがありました。
非常に見当違いな返しをされてかわされてしまい、何度聞きなおしても納得のいく内容は返ってきませんでした。
その講師は精油のストーリーに詳しかったとでもいいましょうか。
その後、別のスクールで補講を受けて、しっかりとその疑問を解決することができました。
残念な話なのですが、どちらの講師も同じ協会の最上級の資格を持っています。
そしてそれは複数の団体の資格でもあったのです。
そもそもアロマテラピーに禁忌があるなんて、アロマサロンに通っている人、働いている人でも知らなかったりします。
大抵のアロマサロンは、出来あいの『○○ブレンド』といった既に商品化されているものを使用していますので、アレルギー体質の人でない限り(または相当粗悪な品質でない限り)そこまで神経質になることはないかも知れません。
しかし、精油とは芳香植物の中の芳香分子の薬理作用を活用するものです。
芳香分子はその名の通りかなり小さなもの。表皮を通過し血中に入り込み、代謝されるのです。
一般的な知識だけではアロマテラピーの本領が発揮できないことは、私が資格を取得し実践しながら学びを深めてきた上で、痛いほど理解しています。
そしてこの勉強にゴールはありません。
人にはそれぞれ、心地良い香りが違いますし、それは体調でも変わってきます。
メディカルアロマとは、その人その人の心身の状態をきちんと把握し、精油の芳香成分類の特性を理解した上で負担にならない量でケアをすることだと考えます。
精油は決して大量に使えばいいものではありませんし、日本では雑貨扱いになるので飲用は勧められていません。
また、アロマテラピーには国家資格がないため、化学的エビデンスは少ないのですが、それでもそれを数値化するために取り組んでいる人たちは沢山います。
その先人たちが導き出してくれたデータをきちんと伝え、その情報を常に正しいかどうか判断しつつ伝えていくのが、メディカルアロマに取り組む当サロンの責任だと考えます。