
猫とアロマテラピー:2
更新日:2021年1月14日
福島県郡山市の猫店長がお出迎えするリンパドレナージュサロン&アロマスクール、メディカルアロマ&リンパドレナージュkimyaku(キミャク)のオーナーセラピスト、橋本です。

前回は、猫と精油に関しての記事の内容があまりにも信ぴょう性が薄いというお話をしました。
今回は私が猫と一緒に生活する上で、アロマテラピーを続けるに至る考えを明確にした理由をご紹介します。
信頼できるネットの記事って?
ネットで論文や実験データをベースに記事を書く場合、当然ですがその出どころにリンクを張る、または出どころの著書などを明記するのが常識です。
例えば論文ベースで健康記事を書いている『パレオさん』ことライターの鈴木祐さんのブログを見れば一目瞭然ですね。
この方、年間5,000本もの化学論文を読んで本業以外に執筆しているってんだから、論文ベースで記事を書くプロです。
この方のブログを読んでいると、論文ベースの記事ってこういうものなんだって理解できるようになると思います。
メタ分析(※1)で調べた話題もよく取り上げられていますので、データとしてかなり信頼できます。
※1…ざっくり言うと分析したデータを集めて更に分析したもの。要は1つのテーマについて調べられた論文を複数集めて比較検討し、導き出した分析結果のことです。
私がネットの猫とアロマ記事をうさん臭いと思うのは、何度も言うけどここ!
実験した大学と内容は記してあるけど、肝心のその論文へのリンクも、その文献画像もないのです。
『ミョウガを食べ過ぎると物忘れがひどくなるよ(世代ネタ?)』、くらいの信ぴょう性くらいのものです、私にしてみれば…。
ついに出会った、信じられる記事!
これはもう、ガチで論文あさりをしますか~って時。
少し前にFacebookかInstagramか忘れたのですが、多分『メディカルアロマ』で見つけたアロマスクールの方のメルマガに登録していました。
自然治癒力を上げたい人のためのメディカルアロマ実践塾 double drops の菊地 裕子さん。
彼女と私のアロマテラピーに対する考え方は近いなぁ…と、彼女のメルマガ内容を読んで日々勝手に親近感を抱いておりました(迷惑行為)。
そしてある日、猫とアロマテラピーに関する記事検索をしていたら、なななんと!彼女のブログに著書ベースの内容が書かれていたではありませんか!
そのブログの内容がこちら!
菊地さん、私と違ってとても聡明な文章。表現の仕方も上品でマイルド。
すごく見習いたけど、私はぶった切るスタイルの方が合っているので仕方ないかな(笑)。
早々メール差し上げて内容をシェアしていいか確認を取り、快くOKいただきました。
以下、菊地さんのブログを引用させていただいての私の考察です。
●ロバート・ティスランド&ロドニー・ヤングの著書からの引用
私は仕事柄資格取得後もマメに自分の感性と合う他のアロマスクールの先生の補習講座やセミナーを受けています。
そもそも私は資格よりも使える知識が優先と考えて講座を作っていますので、ナードの上の資格を取るよりもセミナーにお金をかけた方が有意義な勉強ができます。
そんな他のアロマスクールの先生方もよく講座の参考資料として使われている(と私が感じているだけかも知れないが)『精油の安全性ガイド』という著書があります。
ロバート・ティスランド氏といったら、アロマテラピーを学んでいる人で名前を聞いたことない人はいないですよね(歴史に必ず出てくるんだ、これが)。
ガットフォセ氏の文献を研究した著書を出したりしいて、アロマテラピー研究者の中でも大御所中の大御所(ただ私はあまりこの方のこと知りません。今後勉強したいと思っています)。
これは第1版がバージョンアップされた第2版で、菊地さんはこの内容を引用してくれています。
ちなみに第1版は、ガットフォセ氏の真実を書いたのに絶版になっている幻の本の翻訳者、髙山林太郎氏です。
●書著の実験内容
こちらの著書の中に記されている実験は以下です。
重篤なノミの咬傷の治療と予防の為に、3匹の猫に未希釈のティートゥリー精油を局所塗布した。(1匹あたり20ml)
1匹は低体温症で立てなくなった。
1匹は低体温症と脱水症状を伴う昏睡状態になった。
1匹は震えと軽度の運動失調があった。
集中治療の結果2匹は回復し、1匹は死亡した。
(Bischoff&Guale 1998)
よくぞよくぞ!このマニアックなピンポイント部分を抜き出してくださいました!!もう菊地さんには盛大な拍手しかない!!
ネットに出回っている記事とかなり似てはおりますが、ここで重要なポイント。
それは濃度と塗布の仕方が明確であるということ。
ちなみにここにはコーネル大学とは書かれていませんが、実験をした年と被験体の数が一緒です。
この実験とネットのコピペ情報の内容が一緒とは言い切れませんが、この内容を見て言えることは以下。
1:濃度が原液
はいコレ!『高濃度』でも何でもない『原液塗布』という恐ろしい実験!
実はティートゥリー精油は人間に使用する際にも注意事項のある刺激の強い精油です。
その内容とは、3歳未満の乳幼児や敏感肌には10%以下に希釈すべし、とのこと。
どういうことかというと、一般的な化粧水や乳液の小瓶(小さめ設定で100ml)に対して、精油ビン(小を5ml、大を10mlとします)小ビン1本以上入れた濃度だと何かしらの不具合が起こる怖れがある、ということ。
女性なら分かる方多いと思いますが、よくドラッグストアやド〇キでヒアルロン酸などの化粧品原料が5mlとか10mlで売られていますよね?

こういうやつ。
大体10mlだったりしますので、今度ドラッグストアに行った際にはスキンケア売り場をチェックしてみてください。
小さめの化粧水のビンにこの大きさの容器の精油半分の量を入れると、肌が過敏に反応して炎症を起こしたりするほど刺激の強い精油です。
それを人間と代謝能力が違う、より経皮吸収しやすい猫に原液で塗ったら…前述した実験結果は予想できるものでしょう。
ちなみに、私が思う精油の知識の深い人が結構な確率で言うことは、『植物成分だから安心・安全ではない』ということと、『安全と言われている精油でも使い方を間違えてアレルギー症状が出るから原液ダメよ』ということ。
某有名な精油のネットワークビジネスのネットワーカーさんたちは、こぞって原液塗布や飲用を勧めて精油の大量消費をさせようとしていますが、それはどんなクオリティの精油であろうとトラブルが起きるし、扱いを間違えたら人でも死にます!
動物も人間も関係ないのですよ。
もちろん人と動物は違いますが、精油の知識がない人は対人だろうが動物だろうが危険な使い方をする場合があるんです。
私がネットの記事の考えが浅はかだと申しますのは、『猫限定という話ではなく、そもそも精油の危険性を知らない人間が適当なことを根拠もないのに垂れ流しすぎる』ということです。
ポイント2:死亡したのは1匹
猫に精油は『厳禁』と提唱している人に問いたい。
原液塗布で被験体が少ないが、死亡例は1件。
ここから『厳禁』と言い切れる根拠を説明していただきたい。
私も危険であろう可能性がある精油を我が店長たちにわざわざ嗅がせようとはしません。
というか【1】でもお伝えしている通り、私は危険性があるものを積極的に使用することはしません。
しかし『厳禁』とも思っていません。
獣医師さん協力の記事では、以下の成分が猫に危険と提唱されています。
【ケトンを含む精油】 ・ローズマリー(カンファー) ・ペパーミント ・ラベンダー
【リモネンを含む精油】 ・レモン ・グレープフルーツ ・ベルガモット ・オレンジ(スイート)
【ピネンを含む精油】 ・ユーカリ ・パイン ・サイプレス ・ジュニパー ・フランキンセンス
【フェノールを含む精油】 ・パチュリ ・ミルラ ・タイム ・シナモン ・クローブ
パーセンテージが明確ではないし、刺激の強弱は成分によって違うので何とも言えませんが、この辺りの精油を猫さんに嗅がせたり、間違って舐めちゃう場所に置くことはやめたいですね。
ただし実験でも原液塗布なので、上記の精油1%濃度のオイルを猫さんが舐めた場合などは私は『人がジャンクフードや加工肉、または白砂糖の沢山入ったお菓子を食べたり市販ジュースを飲んだ程度の害』と考えています。
ジャンクフード(ファストフードと言いましょうかね)や加工肉(ベーコンやハム)などの毒性や白砂糖の害も結構なものでして、猫さんに精油が厳禁と言って注意喚起している方は意識高いだろうから、きっとご自身もこういった食事はされていないんでしょうねぇ…。
そして副流煙や喫煙の害も個人差があるように、猫さんによって芳香浴や低濃度希釈のオイルの害は個体差があると考えるのが理論的かと。
もちろんあえて使う必要は皆無ですけど。

さて、次回は猫とアロマテラピー最終回です。
私の考える猫とアロマテラピーのまとめに入ります。
猫さんと生活するようになってからというもの、食事や病気、コミュニケーションの仕方など、勉強になることのオンパレードです。
しかし理由や根拠を調べ、納得して猫さんと自分の幸せのラインを見つけていけばいいんじゃないかと思います。
根拠のない否定、過度な不安は幸せには結びつかないと私は考えているので、今後も気になったことはどんどん調べて発信していきます。
この記事に関してもご意見・ご感想お待ちしていますね!
その際にお願いしたいのは、あなたの考えと、なぜそういうご意見・ご感想に至ったのかのご説明をお願いします!そうするとより考えることができるから♪
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