アロマテラピーの歴史から学ぶこと
最終更新: 1月2日
Facebookのアロマ関連のグループでで、いつも発言が賛同できると思っていてお友達にならせていただいた島田さつきさん。
彼女が所属されているアロマテラピー研究室主催の、『誰も言わなかったアロマテラピーの本質(エッセンス)』を読み解くセミナーに、先月から参加しています。
植物療法研究家であり、様々なアロマテラピーに関する文献の翻訳者である故・髙山 林太郎氏の幻の著書を読み解くセミナーです。
こちらの著書、発売からわずか10日で回収・発売禁止となったいわく付きの本でして、Amazonで検索すると20,000円以上の値がついています(足元みやがって)。
その上、レビューの内容のすさまじさは、もはや著書を罵倒する掲示板なのかと思うほどです。
そのくらい読み手を選ぶ内容ということでしょう。
なんて興味深い。
髙山先生はかなりのオタク気質で変わり者との話ですが、きっとご自身の信念が強く、それが合わない人には迎合しないポリシーを持った方なんだろうと感じます。
アロマテラピー業界新参者でありNARD JAPANの教えを基軸としている私は、様々なアロマテラピー関連の著書を執筆し、日本の大きなアロマ団体(AEAJやNARD JAPAN)の役員でいらした、故・三上杏平先生の方が身近です。
三上先生がご存命の時にキャリアオイル(精油を希釈するための様々な植物油のこと)のセミナーに参加したことがありますが、完全なる化学の授業でした…。
三上先生がホワイトボードに書くのはキャリアオイルの構造式ばかり。
有機化学を学んだ前提で話を進められるので、混乱が止まりませんでした。なんとも奥が深い。
というように、日本のアロマテラピー研究の第一人者たちは、奇人変人が多いというイメージです(笑)。
色んな人から奇人変人と言われる私としましては、そんな方々の考えを知ることができる機会なんてワクワクが止まりません。
そもそも、私自身は精油の薬理作用や代謝にフォーカスするタイプです。
歴史や時代背景よりも、人の身体にどう影響するのかを自分で濃度や配合を変えながら人体実験するタイプの人間です。
まあ、ある意味マッドサイエンティスト気質というか。人体実験という響きって素敵というか…(化学も科学も分からないくせ、中二病なのでこの言葉を使いたいだけで、すみません)。
ですのでアロマテラピーの歴史、となるとほとんど興味がありませんでした。
資格取得の際に歴史は勉強はしましたが、精油の薬理作用に関して役に立つとは思えませんでした。
しかし、それでもアロマテラピーがどうして生まれたのかという根本の問題には興味がありましたし、スクールでは本などで記述された内容と実際は違うこともあるらしい、という話も聞いていました。
アロマテラピーを日本に持ち込んだ張本人だからこそ知りえる、「真実の歴史」を知るために、いざ、奇人変人の世界へ…。
という訳で、先日は2回目の第2章の読み解きに参加しました。
1回目に参加した1章に関しては、アロマテラピーの歴史というより世界史のお話でした。
正直『このくだり必要ある?』と思ったのですが、髙山先生はアロマテラピーが生まれた時代背景も理解してこそと考えていらっしゃる方のようです。
そこについて私はあまり賛同できず、前回にいたっては『早く本題に入って欲しいなぁ』と考えていました。
今回は、アロマテラピーの産みの親であるルネ=モーリス・ガットフォセ氏の有名な逸話についての話や、アロマテラピーを世に広めた人々、その時代背景について。
アロマテラピーの本で必ず語られる、ガットフォセ氏が実験中に火傷を負った際にラベンダー精油をつけたところ、みるみる良くなった…みたいな話ですね。
そもそもにこの逸話は初めて目にした時(アロマテラピーの入門本として人気のあったもの)から、私は違和感しかありませんでした。
事故の規模、傷の程度、どのタイミングで精油を使ったのか、全てが明確ではないのです。
よく本に記述されている内容だと、『ちょっとした』事故で『軽い』火傷を負った際に、『すごそこにあった』精油に手を突っ込んでみたら『あっという間に』治っちゃったよ、みたいにしか感じられません。
そんな魔法のようなこと、ある!?
もうそこからして胡散臭い。
その胡散臭い話がガセネタということは、私がNARDのアロマ・アドバイザーの勉強中に講師に教えてもらっていました。
『やっぱりね』と思いましたが、講師も詳しくは知らないようで、結局その真実を知ることはできませんでした。
今回のセミナーでその事実を知ることができて大満足。
ガットフォセ氏もまさかこんな間違った情報が世界的にアロマテラピーを実践する人間の間で広まっているとは思わなかったでしょう。
そしてその間違った情報を、ガットフォセ氏を敬愛していたであろうマルグリット・モーリー女史が著書で広めていたとはとても皮肉です。
様々な歴史の文献は『諸説あり』というものが多いですが、この逸話に関してもこのような形になっているのは、両者がいかにアロマテラピー業界で偉大であるかを物語っていますね。
今回のセミナーは意味本当に有意義な内容で、世の中に広まっているアロマテラピーの歴史がいかにいい加減な記述であるのかを知ることができました。
そして、『フランス式』や『イギリス式』とアロマテラピーが分かれるきっかけも理解できました。
そもそも『○○式』と区切るのがナンセンスだな、と思うくらい、アロマテラピーの伝道師たちは、それぞれに理念を持って真剣に取り組んでいたということを学びました。
歴史を学ぶなど意味がない。そう思っていたけれど、先人たちの想いを知ること、アロマテラピーの正しい歴史を知ることは、正しい知識を伝えていく上でとても大切なことだと理解することができました。
そしてその想いが強すぎる髙山先生だからこそ、著書の中での言い回しが強くなるのだな、と。
これからはもっと多角的にアロマテラピーについての知見を深めなければいけないな、と気を引き締めました。
しかし、セミナーに参加するたびに何か質問をしたいのだけれど、全部説明されちゃってるから質問が出てこない自分自身がちょっと歯がゆいです。
勉強し出した頃は疑問や質問しかなかったのに。
ということは、徐々に私がアウトプットする側になっているのかもしれません。
教わって、教えて。そうやってアロマテラピーの良さを広めていきたいです。
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